今回は新しく入手したマイクロフォーサーズのズームレンズ「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm 」をご紹介します。(以下ライカ12-60mm)
これ一本あれば十分
これまでズームレンズはPanasonic本体に合わせて以下のレンズたちを使ってきました。
●12-32mm
●14-42mm PZ
●14-140mm
●12-35mmf2.8通し1型
それぞれのレンズに一長一短あり、その人が何を重視するかによってベストレンズは変わってきますが、実はずっと愛用していた高倍率ズーム14-140mmが故障してしまったのです。すでにメーカー保証も切れており、修理見積もりもしてもらいましたが中々の金額だったためメインレンズを見直す運びになりました。12-35mmf2.8:1型も所有しており、こちらも明るさが変わらないメリットがあったのですが、どうしても望遠側が35mmだとデジタルテレコンやレンズ交換の間に逃してしまう瞬間があり。。。
そうなるときになってきたのが今回のライカ12-60mmです。メーカー希望小売価格 125,000円(税抜)とお値段は張りますが実売9万、更にポイントなどで実質8万円で手に入れることが分かりました。また14-140mmを使っていて、実際よく使うのは60mmまでが多いこと、12-35mmf2.8:1型を使っていて12mm始まりの方が自分にとっては良いことを理由に乗り換えることにしました。唯一懸念していたことは望遠60mm側f4.0とちょっと暗くなること。ただ実際に使ってみるとこれら不安は完全に払拭されました。
サイズは14-140mmより一回り大きいですが、マイクロフォーサーズのレンズだけあって他の規格レンズより十分コンパクトで持ち出すのが苦になりません。
ズームしたところ。14-140mmはこれだけ高倍率にも関わらず、このコンパクトさであることに改めて驚かされます。
その他の手持ちズームレンズと並べてみました。どのレンズもコンパクトで機動性に長けているのがマイクロフォーサーズのメリットですね。
全ての性能が高い
ライカ12-60mmを使って驚いたのが全ての基本性能が高いこと。まずAFが過去どのズームレンズより早い。人の顔認識AFの速さも精度や合点スピードも12-35mmf2.8:1型の比ではありません。
また描写される輪郭もLEICAを名乗るだけあって自然な優しさがあります。これは単焦点レンズ15mmf1.7LEICAを使っているときにも感じることですが、LEICAレンズはカリッとした描写よりも空気感を切り取るような描写が得意です。
ズームレンズなのに12-60mmのどの領域でも私のような休日カメラマンには十分満足出来る描写をしてくれます。気にしていた60mmf4.0ですが、このレンズだと高感度も他のレンズより気になりません。これも新しいレンズゆえの設計の良さでしょうか。ISO3200での撮影でもノイズがうまく処理されています。本体はGX7MK2との組み合わせでの使用ですが、過去のレンズよりGX7MK2のポテンシャルを最大限引き出してくれているように感じます。
GX7MK2に装着した状態。もう少し大きなグリップが欲しくもなりますが、これ一本でほぼ全てカバーできることを考えると不満はありません。
レンズそのものも10cm程度
物理スイッチと高い質感
高いレンズだけあって、その外観は価格にふさわしい格好良さがあります。12-35mmf2.8:1型はなぜか鏡胴が青紫のIPになっていてお世辞にも格好良いとは言えませんでした 苦笑
またレンズ側にAF/MFの切り替え物理スイッチと、手ブレ補正のON/OFFスイッチがあるのも星空を撮る際とても助かります。カメラ側で設定を変えるとなるとどうしても時間がかかってしまうので;
そして12mmから18mm,25mm,40mm,50mm,60mmと焦点距離メモリが振ってあるのも高級レンズならではです。実際撮影時にも見ただけで瞬時にわかるので便利です。
バネ付きレンズフード
レンズフードもバネでカチッと止まる構造になっており、通常のフードに比べて落下の心配をしなくて良いのはありがたい。ちなみに無くすと9000円ほどかかるらしいので無くさないように気をつけましょう。
よく映るよく寄れる そして防滴防塵
このレンズの強みとしてよく映るだけでなく、広域側で20cm、望遠側でも24cmまで寄ることが出来るため準マクロ撮影が出来ること。マクロレンズは欲しくなるレンズですが、中々普段から持ち運ぶのって大変です。ちょっとした瞬間にもう少し寄れればいいのにという要望にも応えてくれる。そして防塵防滴という安心感。カメラが防塵防滴でないと意味がありませんが、天気が悪い時レンズだけでも強いのは心強いです。
結論としてマクロレンズ、60mmまでの望遠、写りの良い常用レンズとして考えると少なくともレンズ3本分の価値があると思います。このレンズを軸に、自分が一番よく使う画角(私の場合は15mmf1.7,42,5mmf1.7)の単焦点レンズさえあれば普段の撮影は全く問題ありません。運動会などイベント時は大抵が屋外なので、それ用に望遠レンズを一本追加すれば私のレンズ構成は満足です。
使っている本体がLUMIXなためどうしてもLUMIXよりなレビューになってしまいましたが、OLYMPUSユーザーの方にもこのレンズの愛用者は多いようです。OLYMPUSにも12-40mmf2.8通しや、12-100mmF4.0というレンズがありますが、このライカ12-60mmは望遠側をf4.0と無理をしないことでちょうど良いバランスを持ったレンズに仕上がっていると思います。
同じ画角にはf3.5-5.6のGレンズもありますが、私はこちらのライカ12-60mmを選択して結果良かったと思います。