マイクロフォーサーズ機であるLUMIX G99を愛用している私ですが、先日たまたまCanonのエントリーフルサイズミラーレス機であるEOS RPと並べて使える機会があったので両方使った感想をまとめてみました。
フルサイズとマイクロフォーサーズ
簡単に両機種の性能を抜粋比較したのが下の表になります。
機種名 | G99 | EOS RP |
メーカー | LUMIX | Canon |
発売時期 | 2019/5/23 | 2019/3/14 |
価格[2022/8/20価格コム] | ¥118,000 | ¥106,920 |
撮像素子 | 4/3型Live MOSセンサー | 35mmフルサイズCMOS |
有効画素数 | 2030万画素 | 約2620万画素 |
外形寸法 (突起部を除く) |
幅 約130.4 mm × 高さ 約93.5 mm × 奥行 約77.4 mm | 132.5x85x70 mm |
質量 | 約536 g(本体、バッテリー、メモリーカード1枚含む)、約484 g(本体のみ) | 440g |
ファインダー | 約100%/約1.48倍(35 mm判換算:約0.74倍) | 100/100 |
撮影感度 | 標準:ISO200~25600 拡張:ISO100 |
標準:ISO100~40000 拡張:ISO50、51200、102400 |
発売時期は共に2019年で、G99がミドルクラス、EOS RPがエントリークラスという違いはありますが、センサーサイズの違いはおいておき、偶然にも本体サイズは近しい二機種。当時フルサイズ本体が20万円くらいする商品が多い中でRPはまさしくエントリーユーザーでも手が出しやすい価格帯で発売されたため、スペックの違いは当然あれどこの価格で出したCanonはすごいなぁと感じた記憶があります。
ここではマイクロフォーサーズ・フルサイズそれぞれの長所/短所の細かい話は割愛しますが、一般的に言われるのはフルサイズの方がセンサーサイズが大きい分、ダイナミックレンジが広いことと、高感度耐性が高いという事。付けているレンズもG99が12-60mm/f2.8-4.0に対して、EOS RPは24-105mmの高倍率キットレンズであり全くフェアでない比較なのは十分承知なのですが、このレンズたちをそれぞれ付けた状態で単純に撮ると、レンズの良さの違いも相まってそこまで高感度の違いは感じられませんでした。(もちろん同レベルの良いレンズを付けると物理的にはEOS RPのほうが間違いなく高感度耐性は良いことが予想できます)
サイズ感はほぼ同じ印象。G99は5段分の手ぶれ補正・防滴防塵が搭載されています。
こうやって比較すると軍幹部のファインダーの長さが結構違いますね。それとこれも個人的な感想になりますが、操作感はLUMIXの方が個人的には好み(Nikonも近しいので好きです)
単純に物理キーが多いというのもありますし、右手で操作が集約されているのはG99の良いところですね。最近発売されたAPS-CのEOS R7やR10も触ってみましたが、Z30の方が操作面ではしっくりきたタイプなので、ここは個人ごとの受ける印象の違いがあると思います。
フルサイズEFマウントが10万円クラスで楽しめる素晴らしさ
EOS RPは冒頭にも書いた通り、10万円台でフルサイズセンサーでのボケ感や、お高いですがEFマウントレンズを楽しめること、そして機能は制限されてはいますがコンパクトなボディであることが素晴らしいと思います。初めてカメラを初めてみようと言う方や、フルサイズがどんなものか経験してみたい人にはもってこいの機種かと。私の場合は子供を撮るのがメインとなるため、動き物に対してある程度追随してくれることもカメラを選ぶ条件となるため、その点でG99を使っていますが、風景メインで撮る方や、そこまで動き物を撮らない方/動画は普通に撮れればいい方には一つの選択肢としてありだと思います。
物理ボタンも少なめですが、そこはエントリー機として最低限必要な要素は抑えられています。SONYの階層を入っていかないと呼び出せないUIよりはよっぽど好印象。
液晶もバリアングル。
高倍率キットレンズ24-105mmは使いやすい焦点距離
24-105mmキットレンズは焦点距離としては使いやすく、まずはフルサイズで自分にあう画角を知りたい人には持ってこいではないでしょうか。ただニコンZマウントのキットレンズに比べると描写の甘さを感じてしまいました。
ただEFマウントはレンズも様々なものが揃ってきつつあるため、そのあたりはフルサイズレンズの値段が許容出来る方であれば問題ないと思います。
105mmまでズームするとこんな見栄え
まとめ:マイクロフォーサーズもフルサイズも適材適所で使い分けよう
私は仕事ではソニーのα7IIIを使っているため、キャノンのフルサイズはそこまで馴染みがありませんでしたが、この価格帯でのフルサイズミラーレスの選択肢があることは素晴らしいと思います。RPは動きものへの弱さはあるにしても、それ以外の要素は十分フルサイズを堪能出来ると思います。特にボケ感をとことん出してみたい方は一度試してみても良いのではないでしょうか。
一方のマイクロフォーサーズ。センサーサイズが小さい分、ISO感度の弱さやダイナミックレンジの狭さを指摘されがちですが、私のプライベートでの使い方ではそれらは問題にならないこと・むしろちょうどいい被写体深度であること・レンズが手が届きやすい価格帯にも関わらず、LUMIX中心となりますがハズれレンズがほぼないことなど、純粋に写真を楽しむには十分な機材だと改めて感じました。
ネット上では様々な意見が交錯していますが、結局は何を撮りたいのか・どんな写真を撮りたいのかで機材を選ぶべきであって、単純にセンサーサイズでの良し悪しは付けられないと思います。
各社フルサイズで培ったAFや処理センサー技術を引き継いだAPS-Cが登場してきており、それらカメラも惹かれる点が多々ありますが、もちろんカメラ本体も大事ですが、きちんとしたレンズと腕が伴ってこそ良い写真って撮れるものだと思います。
レンズのサイズは望遠になればなるほどマイクロフォーサーズは小型軽量のメリットがありますし、単焦点などではそのサイズ差は縮まりつつあるとはいえ、やはり価格差は健在します。
プロであれ、アマであれ、撮りたい写真に合った機材を適材適所で使うこと。それが一番大事であって、他人どうこうではなく、ご自身のスタイルにあったものを選ぶことの大切さを改めて感じました。