動画も静止画も撮りたい人向けカメラ
今回はLUMIX DC-G99[以下G99]というパナソニックのマイクロフォーサーズ規格カメラを購入したため、その前機種DMC-G8[以下G8]とも比較しながらご紹介したいと思います。
G99はパナソニックから2019年5月23日に発売された機種で、上位機種としてG9Pro,前機種としてG8があります。G8はまだ併売されており、私も買い換える前はG8を使用していました。G99とG8のスペックを比較したのが以下の表です。簡単に言うと有効画素数が1600万画素から2030万画素へ上がり、処理エンジンもG9Proとは異なるもののG8よりは進化したものを搭載しており、色味の再現性が向上しています。
スペック比較G-99 vs G8
製品名 | パナソニック LUMIX DC-G99/95/90 | パナソニック LUMIX DMC-G8 |
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発売日 | 2019年05月23日 | 2016年10月21日 |
価格 | 13万円前後 | 9万円前後 |
シリーズ | LUMIX Gシリーズ | |
マウント | マイクロフォーサーズ系マウント | |
センサー | フォーサーズ(4/3型Live MOS 17.3x13mm) | |
ローパスフィルター | レス仕様 | |
画像処理エンジン | ヴィーナスエンジン | |
ダスト除去機能 | ○(スーパーソニック・ウェーブ・フィルター:SSWF) | |
画素数 | 2177万総画素、2033(2030)万有効画素 | 1684万総画素、1600万有効画素 |
最大記憶画素数 | 5184x3888px | 4592x3448px |
ISO | 常用:200-25600、拡張:100 | |
連写 | メカ&電子先幕&電子シャッター:9コマ/秒 | メカ&電子先幕シャッター:9コマ/秒、電子シャッター:40コマ/秒 |
追従連写 | 6コマ/秒(メカ&電子先幕&電子シャッター) | |
連続撮影可能コマ数 | RAW/RAW+JPEG連写:45コマ以上、JPEG連写:300コマ以上 | |
オートフォーカス方式 | コントラストAF(空間認識AF対応) | |
人体認識AF(AI機能) | ||
測距点 | 49点 | |
オートフォーカス速度 | 0.07秒 | |
測距輝度範囲 | EV -4~18 | |
ファインダー | 有機EL(OLED) LVF (236万ドット/視野率100%/倍率1.48[35mm換算で0.74]倍)、0.39型(G8は予想) | |
アイポイント | 約20mm | |
モニター | 3インチ (124万ドット) | 3インチ (104万ドット) |
タッチパネル | ○(タッチパッドAF対応) | |
可動式モニター | バリアングル | |
シャッタースピード(機械式) | 1/4000-60秒 | |
電子先幕シャッター | 1/2000-60 | |
電子シャッター | 1/16000-1秒 | |
フラッシュ同調速度 | 1/200秒以下 | 1/160秒以下 |
サイレントシャッター | ○ | |
バルブ撮影 | ○(最大30分) | ○(最大120秒) |
セルフタイマー | 2、10秒 | |
撮影枚数 | モニター時:290枚、ファインダー時:290枚、省電力ファインダー:1000枚 | モニター時:330枚、ファインダー時:320枚、省電力ファインダー:800枚 |
RAW、RAW+JPEG | ○ | |
JPEG | ○ | |
TIFF | ||
動画 | 4K(3840×2160) 30p 100Mbps、フルHD(1920×1080) 60p 28Mbps | |
撮影時間 | 時間制限なし(温度制限はあり) | 29分59秒 |
ハイフレームレート | 120fps(1080p) | |
ファイル形式 | AVCHD Progressive、AVCHD(Dolby Audio 2ch)、MP4(H.264/MPEG-4 AVC、AAC[2ch]) | AVCHD Progressive、AVCHD(Dolby Digital)、MP4(AAC) |
Log | V-Log L (4:2:0 8bit) | |
4Kフォト | ○(30コマ/秒) | |
4:2:2 8bit映像の出力 | ○(HDMIモニタースルー) | ○ |
ボディ内手ブレ補正 | 5軸補正5段分(Dual I.S.2対応) | |
内蔵フラッシュ | ○ | |
防塵防滴仕様 | ○ | |
マグネシウム合金 | ○ | |
pictbridge | ○ | |
水準器 | ○ | |
ジョイスティック | ||
顔認識 | ○(瞳認識/瞳AFにも対応) | |
英語対応 | ○ | |
Wi-Fi | IEEE 802.11 b/g/n | ○ |
NFC | ||
GPS | ||
Bluetooth | ○(4.2) | |
異なる機能 | ライブビューコンポジット、L.モノクロームD、フォトスタイル:粒状 | 回折補正、フリッカー軽減 |
共通の機能 | 4Kライブクロップ、フォーカス合成、比較明合成、フォーカスブラケット、絞りブラケット、フォーカスセレクト、プリ連写機能、QRコード認証 | |
USB充電/給電 | ○ | |
メモリーカード | シングルSD(SDXC UHS-II[U3]に対応) | |
バッテリー | DMW-BLC12E | DMW-BLC12 |
バッテリーグリップ | ○(DMW-BGG1) | |
幅 | 130.4mm | 128.4mm |
高さ | 93.5mm | 89mm |
奥行き | 77.4mm | 74.3mm |
重さ | 484g、総重量:536g | 453g、総重量:505g |
インターフェイス | マイクロUSB2.0、マイクロHDMI(TypeD)、外部マイク(3.5mm)、ヘッドホン端子(3.5mm) | マイクロUSB2.0、マイクロHDMI(TypeD)、外部マイク(3.5mm) |
画素数が上がって解像度が向上
今回私が買い替えた理由はG8の色味がおかしくなったのため。メーカーに2度も修理を出して確認をお願いしたのですが、液晶とファインダーと出てくる絵とで色温度がどうもズレており、折角のカメラなのにフラストレーションが溜まって限界を迎えました。同センサーを用いているであろうGX7MK2の絵には満足しているため、単に自分の所有するG8に何かしら問題があったんだと思います。それ以外特に不満はありませんでした。なので買い換えるにはG8でも良かったのですが、画素数や細かい点がアップデートされたG99の中古美品がちょうど出ていたので購入する運びになりました。
サイズはちょっぴり大きくなった
左がG99、右がG8 サイズは一回り大きくなっています。握った感じは正直G8の方が自分にはしっくり来ていた印象。。。
でも撮影してまず感じたのは処理エンジンと画素数が上がったことにより、解像感は若干向上したなぁということです。そして色味の再現性も旧世代のエンジンより良くなったと感じます。目で見た色味に近い印象。
重さもちょっぴり重く
個人的にはG9proのサイズはNGで、G8が限度と思っていたのですが、G99はG8より若干ながらサイズも重さも増しています。数字的には微差なんですが、手にすると確かに大きくなったと実感出来るサイズ差です。G99はカメラとしてのパフォーマンスはとても気に入っていますが、出来ればG8のサイズをキープして欲しかったのが正直な本音です。
インターフェイスとデザインはG9に統一されて改善
G99軍艦部。WB/ISO/露出と録画ボタンの配置がG9Proと共通になりました。フラッシュ内臓部のTOP面もG9Proの意匠を受け継ぎ稜線ラインが追加。これはGH6とも共通となるため、フラグシップ機を別にメインに持っている方にとっては使いやすい内容だと思います。
それぞれのボタンも若干高さを変えていたり、ISOボタンにはポッチをつけていたりと触っただけでどのボタンかわかる工夫がされているため、撮影時の設定/切替もスムーズに行えます。
ミラーレスでありながらやはり物理キーが多いのは、わざわざメニューの深い階層まで入らなくても設定切り替えが出来て良いですね。
G8軍艦部。モードダイヤルは表記内容は変わりませんが面取り部がシルバーになっていました。
更に見やすくなったファインダー
G9ファインダー。G8より大型化されており、覗き込みやすくなっています。ただG8にも言えますが、ファインダーのアイカップをユーザー自身で交換できないのはマイナス。いずれ劣化したときに交換できないのは残念です。
G8であった十字キーは廃止され、ダイヤルキーに変更となりました。ここはG99の方が使いやすいです。
動画撮影時間は無制限
アップデートされたG9に比べるとどうしても見劣りしがちなG99ですが、週末パパカメラマンが子供の記録を撮ったり、趣味で写真を撮るには十分な機能を持ったカメラです。
特に動画は4K30Pでも無制限で撮影が可能。データサイズが大きいと編集が大変なことになるため、結局FHD60Pでの撮影が多くなりがちですが、それでもバッテリーかメモリ容量がなくなるまで動画を撮り続けられる機能は大きなメリットだと思います。30分制限のカメラだとお遊戯会やピアノの発表会などに対応仕切れない場合もありますもんね。
完成度の高いカメラ
Gシリーズの完成形と言っても過言ではないG99。G9譲りな全体的な機能向上と、使いやすいユーザーインターフェイスも相まって本当に使いやすいカメラです。強力な手ぶれ補正も搭載しつつ防塵防滴でもあるので、プールや川で多少水が掛かっても特に不具合も起きていませんし、突然の雨や雪の中など「あ、撮りたいな」と思った場面でサッと使えるカメラなのが素晴らしいと思います。
一方、サイズやG8と言う選択肢や、サイズが許すようであれば中古市場値段もほぼ変わらなくなってきているG9proを選択するというのも十分にあると思います。
いよいよ新型センサーを搭載したGH6が登場間近となってきました。OM-1が裏面反射積層型センサーによって、マイクロフォーサーズが苦手としてきた高感度改善を図ってきたので、動画に軸をおくGH6がどのような進化を遂げて登場するのかが楽しみです。